私はここ数日すずめの戸締まりに意識を浸食されています
(この記事は、都立大アドベントカレンダ企画#MetroAC の3日目の記事です)
(まだまだ参加者募集中みたいなのでぜひぜひ!)
やばいやばい、すずめの戸締まりほんとめっちゃくちゃ良かった。
伏線回収が素晴らしく良くて、すべてがネタバレになるからなんも言えないけど、世界観と擬人化のアイデア力がすごくて、廃墟, ロードムービー, 現実との重ね合わせ, 草太のキャラクター感とすべてが非常に刺さった #すずめの戸締まり pic.twitter.com/Fb22Mtxbnh— Taniii (@taniiicom) December 9, 2022
長かった中間テストのせいでずっと見れなかった、『すずめの戸締まり』をついに見に行ったのが、英語のNSEのスピーチが終わった先週の金曜日です。
それからというものの、4日たっても私は意識は大部分を『すずめの戸締まり』に浸食され続けています。
自分には、すごい・素晴らしい作品に出合ったあと、長期間引きずる節があることに最近うすうす気づき始めています。過去にも、ヴァイオレットエヴァーガーデンやおおかみこどもの雨と雪や塔の上のラプンツェルや安達としまむらで同じ現象になった気がします。
こっちは普通に生活しようとしているのに、ふとシーンが映し出されて、胸がくるしくなります。
なんでなんでしょうか。
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もともと、アドベントカレンダの記事は、今年1年の振り返りを書こうと思っていました。途中まで書いていました。しかし、金曜日にそれを見てそれどころではなくなってしまいました。
(あ、アドベントカレンダ企画に誘っていただいてありがとうございます。すごく良い企画だと思って二つ返事で参加しました。来年もあるといいな。)
(よく考えると、まだ年末までは時間があるので、1年を振り返るにはちょっとはやかったかもですね。年末までに時間があれば、もう1日参加しようかなと思います!)
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まず最初に言いたいのは、『すずめの戸締まり』は世界観・演出・構成に関して本当に完璧で、もちろんの映像の美と音楽と音響の圧倒的良さ、ある意味で王道から外してきたストーリーとキャラクター設定、そして強い現実とのかかわりとメッセージ性をもった傑作です。すべてがきれいに嚙みあっていて、総合芸術と言いたくなる作品です。
ほんとにおすすめなのでぜひ見てほしいです。そしてできる限り真っ白な状態でみてほしい作品です。とりあえず映画館行ってくださいおねがいします。
「新海誠作品」というメタ情報がなくても、過去作品の評価がなくても、ふらっと映画館に立ち寄って、キービジュアルに惹かれて、あるいはタイトルに惹かれて、見てみた。そうだったとしてもきっと満点をつけたくなる作品だと思います。
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ここから、ちょっとネタバレありです。
世界観のすごさは、引き出しの多さと、アイデア力が圧倒的でした。
本作のインスピレーション元の作品とされる、村上春樹の「かえるくん、東京を救う」の設定である、「地震をミミズにたとえる」という擬人化的なアイデアがまず良くて、それを扉と結び付け、ミミズが倒れることと地震に結びつくという架空の法則もすごく洗練されていてうまく違和感がないように緻密に設計されているところに感動しました。
個人的には、あの映像美で「廃墟」の世界観を見れたというのもすごく刺さったポイントです。
「廃墟」、好きです。なぜかとても惹かれます。
"人々に忘れられたその地"は、なぜかとても美しいです。
そして、劇中の神戸のシーンは懐かしかったです。
神戸の街、三ノ宮の街は、南側こそビルが立ち並ぶ都会感ある街ですが、北側はむかしからの商店街の街という感じで、映画で出てきたのはあえての北側で、その雰囲気がすごく懐かしさを呼び覚ましました。あ、こんな感じだったなって。
神戸という街で生まれ育ったので、生まれる前に起こった地震については学校でも私生活でも何度も見聞きしました。そこには、商店街のイメージが非常に強くありました。
すずめの戸締まりが、神戸の描写として、商店街を選んだのには意味があったように思います。
また、神戸には六甲山に、全国的な知名度を誇る「摩耶観光ホテル跡」があります。これも神戸が舞台の1つに選ばれた要因の1つだったりするのかなと思ったりもします。
演出に関しては、気付けただけでもすごい箇所が本当にたくさんあったのですが、
特にすごかったのは、最後の草太の上着を鈴芽が着る演出で、これによって、前半に出てきたシーンのすずめのおかあさんと思われていた人物の伏線回収につながるという演出はめちゃ刺さりました。「エモ」かったです。
他にもモチーフとして伏線がたくさんあって、それが最後にはきれいに回収されていくのが美しくて心地よかったです。
それと合わせて、構成も本当に良かったです。「ロードムービー」であるというのが、安定した"わくわく感"と、流れのスムーズさ、進行の分かりやすさにとても役立っていて、各地での出会いと別れといった群像劇感は王道でしたが、なかなか刺さりました。2時間映画なのに、退屈したり、だらだらしたりすることが本当にゼロで、テンポよい濃さが、完璧なラストまで続きました。
あえての王道ではないキャラクター像もとても刺さりました。背景の大きく異なる2人の関係性と草太のキャラクター感、そして何より"いす"と旅をするという独創的なアイデアは、恋愛ものというより、凸凹コンビというか、バディ感があって、ロードムービーにすごくあっていたと思います。
草太さんのキャラデザはすごく良きでした。刺さりました。
まだまだ書き足りないですが、間に合わなくなりそうなので、このぐらいにしておきます。
あ、音楽は、「すずめ」がすごく良いです。世界観にとてもマッチです。
この土日は、課題しながらずっと聞いていました。もう一度見たくなります。
『すずめの戸締まり』は、あの時から十二年が経とうとしている今に必要だったメッセージを含んでいたような気がします。
きっと私にとってかなり影響された作品になると思います。
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明日のアドベントカレンダの担当は、あゆさんです。お楽しみに!
私はもういちど、戸締まってきます。
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